外国人採用を検討する企業からは、「特定技能の人は、実際にどのくらい日本語を話せるのですか」と聞かれることがあります。
特定技能制度では、一定の日本語能力が在留資格取得の要件となっています。
ただし、試験に合格していても、職場での指示をすべて理解できるとは限りません。
採用前には、制度上の基準だけでなく、実際の会話力や業務との相性も確認する必要があります。
この記事では、特定技能外国人に求められる日本語能力の基準と、採用や受入れ現場への影響を分かりやすく解説します。
特定技能外国人に求められる日本語能力とは
特定技能1号では、原則として日本語能力試験への合格が必要です。
一般的には、次のいずれかの試験に合格していることが求められます。
・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
・日本語能力試験(JLPT)N4以上
ただし、介護分野ではこれらに加えて「介護日本語評価試験」の合格も必要です。
また、自動車運送業のタクシー・バス区分や鉄道分野の運輸係員区分では、日本語能力試験N3以上など、より高い日本語能力が求められます。
企業は、採用する分野ごとの要件を事前に確認しておくことが重要です。
N4レベルでできること・難しいこと
JLPT N4は、「基本的な日本語を理解できるレベル」とされています。
例えば、次のような内容は比較的理解できます。
・あいさつや日常会話
・簡単な業務指示
・基本的な読み書き
・決まった手順で行う作業
一方で、次のような場面では難しさを感じることがあります。
・長い説明を一度で理解すること
・曖昧な表現や遠回しな言い方
・電話対応
・イレギュラーなトラブル対応
・複雑なマニュアルの読解
そのため、「N4だから安心」「試験に合格しているから問題ない」と考えるのではなく、実際のコミュニケーション能力も確認することが大切です。
日本語能力が現場に与える影響
日本語能力は、日々の業務品質や安全管理にも関わります。
例えば製造業では、作業手順や注意事項を正しく理解できるかどうかが事故防止につながります。
介護分野では、利用者との会話だけでなく、職員同士の情報共有も欠かせません。
外食業や宿泊業では、お客様とのコミュニケーションがサービス品質に直結します。
日本語能力が不足している場合は、次のような工夫が効果的です。
・写真やイラストを使ったマニュアルを用意する
・やさしい日本語で説明する
・重要事項は復唱して確認する
・相談しやすい職場環境を整える
採用後の教育体制を整えることで、本人の成長だけでなく職場全体の生産性向上にもつながります。
採用時に企業が確認しておきたいポイント
面接では、日本語試験の合格証だけを見るのではなく、実際の会話力も確認しましょう。
例えば、次のような質問を日本語で行うと、実務に近いコミュニケーション能力を把握しやすくなります。
・これまでどのような仕事をしていましたか。
・困ったことがあったときはどう対応しましたか。
・日本で働きたい理由を教えてください。
受け答えの内容だけでなく、質問の理解力や説明する力も確認すると、入社後のミスマッチ防止につながります。
登録支援機関などの支援機関と連携し、継続的な日本語学習を支援する体制を整えることも、長期的な定着に役立ちます。
まとめ
特定技能外国人には一定の日本語能力が求められますが、実務では試験結果だけでは判断できない場面も少なくありません。
企業が安心して外国人材を受け入れるためには、制度上の基準を理解するとともに、現場で必要となるコミュニケーション能力や教育体制もあわせて考えることが大切です。
外国人材が能力を十分に発揮できる環境を整えることは、企業と外国人双方にとって良い雇用につながります。
特定技能外国人の採用や受入れについて不安や疑問がある場合は、お気軽にSORIOSまでご相談ください。
※本記事は執筆時点の情報に基づいて作成しています。最新の制度については出入国在留管理庁・法務省の最新情報をご確認ください。
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