特定技能外国人から生活相談を受けたら?企業の対応ポイント

 

登録支援機関に支援を委託していても、特定技能外国人から職場の上司や人事担当者へ直接、生活上の相談が寄せられることがあります。

そんなとき、企業側はどこまで対応し、どのタイミングで登録支援機関につなげればよいのでしょうか。
支援を「任せきり」にせず、かといって社内だけで抱え込まないための対応ポイントを整理します。

 

生活相談の支援を委託していても、
会社に相談が来ることはある

 

特定技能1号では、外国人が日本で安定して働き、生活できるよう「1号特定技能外国人支援計画」に基づく支援を行います。

支援内容の一つが「相談又は苦情への対応」です。仕事だけでなく、日常生活や社会生活についての相談も対象となります。

具体的には、相談や苦情に対して本人が十分に理解できる言語で対応し、必要な助言や指導を行います。
相談内容によっては、地方出入国在留管理局や労働基準監督署などの関係行政機関を案内し、同行するなど必要な手続を補助します。

1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関へ委託している場合、こうした支援は委託先の登録支援機関が担います。

ただ、実際の職場では外国人本人が必ず登録支援機関へ相談するとは限りません。

「市役所から手紙が来たけれど、内容が分からない」
「病院へ行きたいけれど、どうすればいい?」
「家のことで困っている」
「仕事について相談したいことがある」

このような話を、普段接している上司や同僚、人事担当者にすることも考えられます。

そこで企業側が意識したいのは、「登録支援機関に委託しているから会社は関係ない」と考えるのではなく、
相談の入口になったときに適切な相手へつなげられるようにしておくことです。

 

特定技能外国人から直接相談されたらどうする?

 

その場ですべて解決しようとしない

相談された担当者が、すべての問題を解決する必要はありません。

最初に確認したいのは、「本人が何に困っているのか」「いつまでに対応が必要なのか」「緊急性があるのか」といった基本的な内容です。

例えば、市区町村から届いた書類について相談された場合、担当者が制度を詳しく知らないまま
「これは払わなくても大丈夫」などと判断してしまうと、誤った案内につながるおそれがあります。

内容を確認したうえで、登録支援機関による支援が必要なものは速やかに共有しましょう。

特に在留手続、税金、社会保険、労働問題など専門的な判断を伴う相談は、会社の担当者だけで結論を出さず、
必要に応じて行政機関など適切な窓口につなぐことが大切です。

 

「登録支援機関に聞いて」で終わらせない

一方で、本人に登録支援機関の連絡先を伝えて終わり、という対応にも注意したいところです。

外国人本人が「誰に、どのように相談すればよいのか」を理解できていなければ、問題を抱えたままになってしまう可能性があります。

例えば、

・この相談は登録支援機関の担当者へ共有すると伝える
・本人が登録支援機関へ連絡できる状態か確認する
・急ぎの場合は企業側から登録支援機関へ連絡する
・必要に応じて本人と登録支援機関が話せる機会をつくる

といった対応が考えられます。

大切なのは、企業が支援業務をすべて引き受けることではなく、相談が途中で途切れないようにすることです。

 

緊急性の高い相談はすぐに対応する

相談内容によっては、登録支援機関への連絡だけで済ませず、状況に応じた対応が必要です。

事故や急病など、本人の安全に関わる場合は特にそうです。

「登録支援機関に委託しているから、担当者からの返事を待とう」と一律に考えるのではなく、緊急性を確認して行動する必要があります。

出入国在留管理庁の運用要領でも、事故などの緊急時について、基本的にいつでも連絡を受けられる支援体制を構築することが望ましいとされています。

企業と登録支援機関の間でも、緊急時に誰へ連絡するのかを事前に確認しておくとスムーズです。

 

会社に関係する相談は
「登録支援機関に任せて終わり」にしない

 

生活相談といっても、話を聞いてみると原因が職場にある場合があります。

例えば、

・上司とのコミュニケーションで悩んでいる
・仕事内容について説明と違うと感じている
・勤務時間や休日について疑問がある
・職場で困っているが誰にも言えなかった

といった相談です。

このような場合、登録支援機関が本人から話を聞くだけでは解決できないことがあります。
雇用する企業側で事実関係を確認し、必要な対応を検討しなければならないケースもあるからです。

一方、相談した内容がそのまま職場内へ広まるようなことがあれば、本人が相談しにくくなってしまいます。

出入国在留管理庁の運用要領でも、相談・苦情への対応に当たっては個人情報の保護に努め、相談内容を理由として職場で不当な取扱いが行われないよう求めています。

登録支援機関から企業へ相談内容の共有があった場合も、「誰まで共有する必要があるのか」を考え、必要な範囲で対応することが大切です。

 

企業と登録支援機関で決めておきたいこと

 

外国人本人から相談を受けてから対応方法を考えるより、企業と登録支援機関の役割分担を事前に整理しておくと安心です。

例えば、社内で次のような点を共有しておくと対応しやすくなります。

・外国人から相談を受けたときの社内担当者
・登録支援機関の担当者と連絡先
・通常時と緊急時の連絡方法
・どのような相談を登録支援機関へ共有するか
・職場に関係する相談があった場合の社内対応
・外国人本人への相談窓口の周知方法

登録支援機関による相談・苦情への対応については、特定技能外国人の勤務形態に合わせた相談時間帯を設定することも求められています。

外国人本人にも、「生活で困ったらこの人」「支援について相談したいときはこちら」など、連絡先を分かりやすく伝えておきましょう。

企業と登録支援機関の役割を分けることは必要ですが、完全に切り離して考えるものではありません。

SORIOSでは、外国人材の紹介に加えて、登録支援機関として受入れ後の支援も行っています。
外国人材を紹介して終わりではなく、企業と外国人双方が長く安心して働ける環境づくりを大切にしています。

外国人本人にとって「会社に相談すべきことなのか、登録支援機関に相談すべきことなのか」を判断するのは難しい場合もあります。

だからこそ、どちらに相談が入っても必要な相手につながる関係をつくっておくことが、受入れ後の安心につながります。

 

まとめ

 

特定技能1号の支援を登録支援機関へ委託していても、外国人本人から企業へ直接、生活上の相談が寄せられることがあります。

企業がすべて解決しようとする必要はありませんが、「登録支援機関に聞いてください」で終わらせず、相談内容や緊急性を確認し、必要な支援へつなげることがポイントです。職場に関係する相談であれば、企業側の対応が必要になることもあります。

SORIOSでは登録支援機関として、受入れ後の支援についてもご相談いただけます。
特定技能外国人との関わり方や支援体制でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は執筆時点の情報に基づいて作成しています。最新の制度については出入国在留管理庁・法務省の最新情報をご確認ください。

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