特定技能試験とは?企業が採用前に知るべき基礎知識と注意点

外国人材を「特定技能」で採用する際、企業側も理解しておきたいのが特定技能試験です。

原則として特定技能1号では、外国人本人に一定の技能と日本語能力が求められます。

ただし、分野や本人の経歴によって必要な試験や免除条件が異なるため、採用前の確認が欠かせません。

この記事では、特定技能試験の種類や日本語試験、試験免除の考え方、企業が採用時に確認したいポイントを分かりやすく解説します。

 

特定技能試験とは?

 

特定技能試験とは、在留資格「特定技能」で働くために必要な技能水準などを確認する試験です。

特定技能1号では、特定産業分野で「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」が求められます。

原則として、分野ごとに定められた試験などで技能水準を確認します。

企業が特定技能外国人を採用するときは、「外国人だから特定技能試験を受ければよい」と考えるのではなく、自社の業務に対応する分野・業務区分と、本人が満たすべき要件を確認する必要があります。

 

特定技能1号では技能と日本語能力を確認する

特定技能1号では、基本的に次の2つの能力が確認されます。

・仕事に必要な技能水準
・生活や業務に必要な日本語能力

技能については、分野・業務区分に応じた技能試験などで確認されます。

日本語能力については、多くの分野で「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT)N4以上」が基準となっています。

ただし、すべての分野・業務区分で日本語要件が同じではありません。

たとえば、自動車運送業分野のタクシー・バス区分、鉄道分野の運輸係員区分では、日本語能力試験の場合はN3以上が求められます。

そのため、採用候補者の日本語能力を確認するときは、「N4を持っているから大丈夫」と一律に判断しないことが大切です。

 

介護分野では追加の日本語試験がある

介護分野では、日本語能力の確認に注意が必要です。

原則として、JFT-BasicまたはJLPT N4以上などの要件に加え、「介護日本語評価試験」の合格が求められます。

介護の仕事では、利用者との会話や介護現場特有の言葉を理解する必要があります。

そのため、一般的な日本語能力とは別に、介護業務で必要となる日本語能力を確認する仕組みになっています。

介護分野で外国人材を採用する企業は、技能試験だけでなく、日本語に関する試験の合格状況も確認しておきましょう。

 

特定技能試験が免除されるケースもある

 

特定技能1号を取得する人が、必ずすべての試験を受けるわけではありません。

代表的なのが、「技能実習2号」を良好に修了した人が特定技能1号へ移行するケースです。

求められる日本語能力水準がJFT-BasicまたはJLPT N4以上である分野・業務区分では、技能実習2号を良好に修了している場合、原則として日本語試験が免除されます。

さらに、技能実習で経験した職種・作業と、特定技能で従事する業務との関連性が認められれば、技能試験も免除されます。

たとえば、技能実習から特定技能への移行を希望している人材を採用する場合、企業は次の点を確認すると安心です。

・技能実習2号を良好に修了しているか
・技能実習で従事していた職種・作業は何か
・特定技能で担当する業務と関連性が認められるか
・技能試験や日本語試験の免除対象になるか

「技能実習経験者だから試験はすべて免除」とは限りません。

採用する分野や業務との関係によって扱いが変わるため、本人の経歴と必要書類を確認したうえで判断する必要があります。

 

特定技能2号の試験は1号と何が違う?

 

特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。

特定技能1号は、特定産業分野で相当程度の知識または経験を必要とする技能を持つ外国人を対象とした在留資格です。

一方、特定技能2号では「熟練した技能」が求められます。1号より高度な技能試験に加え、分野によって一定の実務経験などが必要です。

そのため、特定技能2号への移行を考える場合は、試験対策だけでなく、必要な実務経験をどのように積んでもらうかという視点も必要になります。

企業にとっては、採用時点だけを見るのではなく、入社後の育成やキャリア形成まで考えるきっかけになります。

特定技能外国人が長期的に活躍できる環境を整えることは、人材の定着という面でも意味があります。

 

企業が特定技能試験について確認しておきたいこと

 

特定技能外国人を採用する際、企業側が試験の申し込み手続きをすべて行うとは限りません。

しかし、採用予定者が必要な要件を満たしているか確認することは、受入れ準備を進めるうえで欠かせません。

 

合格した試験と業務区分を確認する

技能試験は分野・業務区分ごとに定められています。

候補者が「特定技能の試験に合格している」と話していても、自社で任せたい業務に対応した試験なのかを確認する必要があります。

合格証明書などを確認し、自社で予定している仕事内容と在留資格上認められる活動が一致しているか整理しておきましょう。

 

試験日程は最新情報を確認する

特定技能試験は、日本国内だけでなく海外でも実施されています。

ただし、開催国や試験日程、申し込み方法などは試験によって異なります。

出入国在留管理庁も、最新の試験予定や詳細について各試験実施機関のウェブサイトで確認するよう案内しています。

海外から採用する場合は、採用スケジュールを決める前に試験日程を確認しておくと、入社時期を検討しやすくなります。

試験合格後にも雇用契約や在留資格に関する手続きがあります。試験日だけを基準に入社予定日を決めず、余裕を持った採用計画を立てることがポイントです。

 

試験合格だけで採用を判断しない

試験への合格は、特定技能外国人として必要な技能・日本語能力の基準を満たしていることを確認する大切な要素です。

一方、試験に合格していることと、自社の職場で問題なく働けることは必ずしも同じではありません。

面接では、実際の業務経験や日本語でのコミュニケーション、仕事内容への理解なども確認しておくと、入社後のミスマッチを減らしやすくなります。

外国人材と企業の双方が長く安心して働くためにも、資格要件の確認だけで採用を完結させず、仕事内容や職場環境との相性まで丁寧に確認することが大切です。

 

まとめ

特定技能1号では、原則として分野ごとの技能試験と日本語試験によって、必要な能力を確認します。

一方、技能実習2号を良好に修了した人など、条件によって試験が免除されるケースもあります。

企業側は試験の合否だけでなく、対象分野・業務区分、免除要件、本人の実務経験まで確認することが大切です。

制度や試験情報は変更される場合があるため、採用時には必ず最新情報をご確認ください。

※本記事は執筆時点の情報に基づいて作成しています。最新の制度については出入国在留管理庁・法務省の最新情報をご確認ください。

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