特定技能外国人が日本で働く際の税金と社会保険の仕組み

外国人材を採用する企業にとって、給与だけでなく税金や社会保険の手続きも重要な実務の一つです。

特定技能外国人だからといって、日本人とは異なる税制や社会保険制度が適用されるわけではありません。

一方で、海外との税務や年金制度が関係するケースもあり、担当者が制度を正しく理解していないと、手続き漏れや本人への説明不足につながることがあります。

この記事では、特定技能外国人が日本で働く際の税金と社会保険の基本的な仕組みや、企業が押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。

特定技能外国人にも日本の税金・社会保険制度が適用される

 

特定技能外国人は、日本の企業と雇用契約を結んで働くため、原則として日本人従業員と同じルールで税金や社会保険が適用されます。

そのため、企業は給与計算や各種手続きを日本人従業員と同様に行う必要があります。

対象となる主な制度は次のとおりです。

・所得税
・住民税
・健康保険
・厚生年金保険
・雇用保険
・労災保険

ただし、加入要件や課税方法は、勤務形態や在留期間などによって異なる場合があります。制度の内容を確認しながら適切に対応することが大切です。

特定技能外国人が負担する主な税金

所得税

所得税は、毎月の給与から源泉徴収されます。

年末には年末調整を行い、年間の所得税額を精算するのが一般的です。

扶養控除などの適用を受ける場合は、必要書類を提出してもらう必要があります。

母国に家族がいるケースでは、適用条件や提出書類が通常と異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

住民税

住民税は、毎年1月1日時点で日本に住所がある人が対象となります。

通常は前年の所得を基に税額が決まり、会社が給与から天引きする「特別徴収」で納付します。

来日したばかりの外国人は前年の日本での所得がないため、初年度は住民税が課税されないケースがあります。
一方、翌年度から住民税が発生することを本人が知らない場合もあるため、企業から説明しておくとトラブル防止につながります。

 

加入する社会保険の種類

 

健康保険

勤務先が健康保険の適用事業所であり、加入要件を満たす場合は健康保険へ加入します。

医療機関を受診した際の自己負担は、原則として一定割合となります。

また、出産手当金や傷病手当金など、一定の条件を満たすことで利用できる制度もあります。

 

厚生年金保険

会社員として働く特定技能外国人は、加入要件を満たす場合、厚生年金保険へ加入します。

「将来日本に住まないから加入しなくてもよい」と考えられることがありますが、加入対象となる場合は国籍に関係なく加入が必要です。

なお、日本と社会保障協定を締結している国との間では、年金加入期間の通算や二重加入の調整が行われる場合があります。

また、日本を出国して一定の条件を満たす場合には、脱退一時金を請求できる制度があります。

制度の対象や請求要件は個別に異なるため、最新情報を確認することが重要です。

 

雇用保険・労災保険

雇用保険は、加入要件を満たす労働者が対象です。

失業時の給付や育児休業給付など、一定の条件を満たした場合に利用できます。

労災保険は、業務中や通勤途中のけがや病気などに備える制度で、外国人労働者も日本人と同様に保護の対象です。

 

企業が注意したい実務上のポイント

 

税金や社会保険は制度を理解するだけでなく、外国人本人への説明も重要です。

特に次のような点は、採用時や入社後に丁寧に案内すると安心です。

・給与から税金や社会保険料が控除される理由
・住民税は翌年度から発生する場合があること
・健康保険証の利用方法
・年金制度の概要や脱退一時金制度
・住所変更や扶養変更があった場合の届出

制度に不慣れな外国人材も少なくありません。

専門用語だけで説明するのではなく、図や母国語資料などを活用すると理解が深まり、誤解や問い合わせの減少にもつながります。

制度は法改正が行われることもあるため、最新情報は出入国在留管理庁、日本年金機構、厚生労働省、国税庁などの公的機関で確認することをおすすめします。

まとめ

 

特定技能外国人の税金や社会保険は、日本人従業員とほぼ同じ制度が適用されます。

企業には、適切な加入手続きや給与計算だけでなく、本人が制度を理解できるようサポートする役割も求められます。

採用後の不安やトラブルを減らすためにも、制度を正しく理解し、分かりやすく説明できる体制を整えておくことが大切です。

外国人材の受入れや特定技能制度について不明な点がありましたら、SORIOSまでお気軽にご相談ください。

※本記事は執筆時点の情報に基づいて作成しています。最新の制度については出入国在留管理庁・法務省の最新情報をご確認ください。

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