日本の技術・人文知識・国際業務ビザ(通称「技人国ビザ」)は、専門的な知識や技術を持つ外国人が日本で働くための在留資格です。このビザを申請する際に重要な書類の一つが「雇用契約書」です。本記事では、技人国ビザ取得に役立つ雇用契約書の書き方と注意点について解説します。
雇用契約書に必要な項目
技人国ビザの申請を成功させるためには、雇用契約書に以下の情報を正確に記載する必要があります。
- 雇用主と被雇用者の基本情報
- 雇用主(会社名、所在地、代表者名)
- 被雇用者(名前、生年月日、国籍)
- 職務内容
- 職務内容がビザの範囲(技術・人文知識・国際業務)に該当するかを明確に記載。
- 具体的な業務内容(例:翻訳業務、システム開発、マーケティング業務など)。
- 給与条件
- 月給、ボーナス、手当を明示。
- 給与額が日本人と同等以上であることを記載。
- 支払い方法と支給日。
- 労働時間と休日
- 勤務時間、休憩時間、残業に関するルールを記載。
- 年間休日の日数や有給休暇の条件。
- 雇用期間
- 契約期間(有期・無期)を明確に記載。
- 更新の可能性がある場合、その条件を記載。
- 社会保険と福利厚生
- 健康保険、厚生年金、雇用保険の加入状況。
- 福利厚生の具体的な内容(例:住居手当、交通費支給)。
- その他の特記事項
- 機密保持に関する取り決めや競業避止条項。
- 解雇に関する規定。
注意点
技人国ビザ取得を目指す際、雇用契約書を作成する上で注意すべきポイントを以下にまとめます。
- 職務内容の適合性
- 技人国ビザは、単純労働には適用されません。契約書の職務内容が専門的な業務であることを示す必要があります。
- 給与水準の確認
- 給与額が日本人の同等業務従事者と同じ水準であることが求められます。不適切な給与設定はビザ申請の拒否理由となる可能性があります。
- 契約期間と更新条件
- 契約期間が短すぎる場合、在留期間の許可が短縮される可能性があります。更新可能な条件を明確にすることが重要です。
- 書類の正確性と整合性
- 雇用契約書の内容が他の提出書類(事業計画書や雇用理由書など)と矛盾しないよう注意してください。
- 日本語と英語の両方で作成
- 外国人労働者が内容を理解できるよう、日本語と英語の二言語で作成することが望ましいです。
雇用契約書のテンプレート例
以下は、技人国ビザ申請用の雇用契約書の一例です。
雇用契約書
雇用主: [会社名、所在地、代表者名]
被雇用者: [名前、生年月日、国籍]
職務内容:
- [具体的な職務内容を記載]
給与条件:
- 月給: [金額]円
- 支給方法: [振込/現金]
- 支給日: [毎月XX日]
勤務時間:
- 勤務時間: [開始時刻 – 終了時刻]
- 休憩時間: [休憩の合計時間]
休日:
- 週休二日制
- 年間休日: [日数]
社会保険:
- 健康保険、厚生年金、雇用保険加入
雇用期間:
- [開始日 – 終了日/無期限]
その他:
- 解雇事由、秘密保持義務などを記載
おわりに
技人国ビザの取得を目指す外国人労働者にとって、雇用契約書は非常に重要な書類です。雇用契約書が正確かつ詳細に作成されていることは、申請の成功に直結します。また、企業側も外国人が安心して働ける環境を整えるため、透明性と誠実さを持って書類を作成しましょう。
詳細や申請手続きに関するご相談は、ぜひ当社までお問い合わせください!
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