日本で働く外国人労働者が増える中、ビザ(在留資格)の選択は非常に重要なポイントです。その中でも「技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザ)」と「特定技能ビザ」は多くの外国人が利用する代表的なビザです。この記事では、この2つのビザの違いを分かりやすく比較し、それぞれの特徴やメリット、適している人について解説します。
Contents
技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザ)とは?
技人国ビザは、主に高度な知識やスキルを活用して働く人のための在留資格です。このビザは、日本の企業や団体に正社員や契約社員として雇用され、主にホワイトカラーの仕事をするためのビザです。
特徴
- 職種の例
- システムエンジニア、プログラマー(技術)
- 通訳、翻訳、マーケティング(人文知識)
- 外国語教師、海外取引担当(国際業務)
- 学歴または職務経験が必要
- 原則として大学卒業(学士号)または短大卒以上の学歴が求められます。
- もしくは、学歴がない場合でも10年以上の職務経験で条件を満たせるケースもあります。
- 家族の帯同が可能
- 配偶者や子供を日本に呼び寄せることが可能です(家族滞在ビザが必要)。
- 在留期間
- 1年、3年、5年などがあり、更新が可能です。
- 転職の自由度
- 同じ分野(例:IT分野内)であれば、転職してもビザの変更は必要ありません。
メリット
- 高度な専門職に就くことが可能。
- 永住権や高度専門職ビザへのステップアップがしやすい。
- 家族を日本に帯同できる。
特定技能ビザとは?
特定技能ビザは、2019年に新設された比較的新しい在留資格で、日本の人手不足が深刻な業界で外国人労働者を受け入れるためのビザです。
特徴
- 対象職種
- 介護、建設、宿泊、外食業など、14分野が対象です(2025年現在)。
- 学歴不要、技能試験と日本語試験が必要
- 学歴は問われませんが、指定された「技能試験」や「日本語試験」(JLPT N4以上など)の合格が条件となります。
- 家族の帯同は原則不可(特定技能1号の場合)
- 特定技能2号に進んだ場合は家族の帯同が認められる可能性があります(現時点では一部分野のみ対応)。
- 在留期間
- 特定技能1号:最大5年間(更新可能)。
- 特定技能2号:期間の上限なし(永住権申請も可能)。
- 転職の制限
- 原則として同じ業界(例:介護分野内)でしか転職できません。
メリット
- 日本語能力が高くなくてもチャレンジ可能(N4レベルで十分)。
- 学歴に関係なく働ける。
- 人手不足の業界では高い需要がある。
技人国ビザと特定技能ビザの違いを比較
項目 | 技人国ビザ | 特定技能ビザ |
---|---|---|
対象職種 | 主にホワイトカラー職種(IT、通訳等) | 人手不足の14分野(介護、外食等) |
学歴の要件 | 大学卒業、短大卒、または10年以上の職歴 | 不問 |
試験の要件 | 必要なし | 技能試験・日本語試験が必要 |
在留期間 | 1~5年、更新可能 | 1号:最大5年、2号:期間制限なし |
家族の帯同 | 可能 | 原則不可(1号の場合) |
転職の自由度 | 同分野内で自由 | 同じ業界内のみ可能 |
どちらのビザが自分に適している?
技人国ビザがおすすめな人
- 大学や専門学校を卒業し、専門的なスキルを活かした仕事をしたい人。
- ITエンジニア、マーケティング、翻訳などのホワイトカラー職を希望している人。
- 家族と一緒に日本で生活したい人。
- 長期的に日本で働き、永住権や高度専門職ビザを目指したい人。
特定技能ビザがおすすめな人
- 日本語や専門知識の基礎があり、すぐに働き始めたい人。
- 学歴に自信がなくても、技能試験を通じて職を得たい人。
- 人手不足の業界で確実に仕事を得たい人。
- 一時的に日本で働き、経験を積んで帰国を考えている人。
まとめ
技人国ビザと特定技能ビザは、それぞれ異なる条件や目的に対応しています。自分の学歴やスキル、目指すキャリアプランに合わせて選択することが重要です。長期的なキャリアを考える場合は技人国ビザが有利な場合が多く、短期的に働く場合や学歴がない場合は特定技能ビザが適していると言えるでしょう。
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